子どもの絵を動かす4つの方法:紙から、アプリまで
Scribblieチーム · 公開日 · 読了目安 11分

このガイドの内容
先に結論を言うと、子どもの絵を動かす方法は4つあり、どれが合うかは、お子さんがどのくらい興味を持ち続けられるかでほぼ決まります。棒つきの紙の人形は5分でできます。パラパラ漫画は20分ほど。ストップモーションは午後いっぱい。そしてアプリなら数秒です。ただし、手を動かす楽しさは少し手放すことになります。
私たちには持論があって、時間がかかって少し不器用な方法ほど、子どもの記憶に残ると思っています。でも同時に、夕方のばたばたした時間に、撮影スタジオを開く元気はだれにもないことも知っています。そこで、4つの方法を、面倒なところも省かずに全部ご紹介します。
方法その1:パラパラ漫画。紙がしごとをしてくれます
パラパラ漫画は、少しずつ違う絵をかいた紙の束を、ぱらぱらとめくって、目の中で動きにつなげるものです。手軽に作るなら付箋の束を使います。のりのついた端のおかげで、気持ちよくめくれます。くわしい作り方はパラパラ漫画のガイドに書いたので、ここでは雰囲気だけお伝えします。
得意なこと:動きは止まった絵でできているのだと、お子さんに体で見せられることです。しかけを内側から見られます。1枚ごとに少しずつ低い位置にボールをかくと、束をぱらぱらとめくったときにボールがはずみます。この瞬間にまさる説明はありません。
苦手なこと:根気です。ボールのはずむ絵を20枚かくのは、20回あきるチャンスでもあります。細かいところまでていねいにかいたドラゴンを、同じように20回もかきたい子はいません。つまり、ドラゴンは題材として向いていません。ただのまる、ボール、棒人間、育っていく花などが向いています。
こんな方におすすめ:6歳ごろから、雨の日の午後、ものごとのしくみを見るのが好きなお子さん。小さなお子さんには向きません。3枚目までに束を破ってしまいます。
方法その2:紙の人形。手で動かすアニメーションです
絵を切り抜いて、アイスの棒かストローにテープでとめて、動かします。それで立派なアニメーションです。人形劇はその場で動かすアニメーションで、キャラクターがいつジャンプするかを決めるアニメーターは、お子さん自身です。
切り抜くときには、ちょっとしたわながあります。うすい紙にやわらかい筆圧でかいた絵は、切り抜くとぺなっとなってしまいます。先に、お菓子の空き箱などの厚紙に絵をはって、かわかしてから切りましょう。腕、あご、しっぽなど、動かしたい部分には、関節として割りピン(金属のペーパーファスナー)を使うと、平らな絵にひじができます。
関節の作り方、舞台、細かい足のまわりを切るややこしい作業については、紙の人形のガイドで説明しています。小さなお子さんには、子ども用の安全なはさみを使い、ピンの穴あけはおとなが担当してください。
こんな方におすすめ:3歳から、どんな絵でも、映画をつくるよりお話をしたい子。大きくて、不格好で、すばらしい、足が7本ある馬の絵でもできるのは、ここで紹介する方法の中ではこれだけです。

方法その3:ストップモーション。根気が映画になります
ストップモーションは、写真を1枚撮って、キャラクターをほんの少しだけ動かして、また撮って、それを速く再生する方法です。机の上の紙の切り抜きが、いちばん気軽な舞台です。本を積んだ上にスマホを立てかけるのが、いちばん気軽なカメラ台です。
最初は、たいていぶれていて、少し暗くなります。照明がちらつき、机がゆれ、指が写りこむ。初めてのうちは、そのどれも気にしなくて大丈夫です。お子さんが「わあ」と声をあげた10秒の映画は、一度もつくれなかった完璧な映画より価値があります。ストップモーション入門ガイドでは、照明と、お金のかからない三脚の代わりを紹介しています。
得意なこと:「自分でつくった」という実感です。その子がかいた絵を、その子が動かして、机の上を歩くのを見たのですから。
苦手なこと:スピードです。10秒の映画でも、1秒あたりのコマ数にもよりますが、100枚ほどの写真が必要なことがあります。6歳くらいまでのお子さんにとっては、プロジェクトというより一大作戦です。少しずつ数枚ずつ撮って、舞台をひと晩机に出したままにしておくと、楽しめる子が多いです。
こんな方におすすめ:7歳から、または、おとながカメラ係になる、もう少し小さなお子さん。10分後に結果がほしい方には向きません。
方法その4:動かしてくれるアプリ
いちばん新しい方法は、絵の写真を撮ると動かしてくれるアプリです。テンプレートで絵が歩いたり手をふったりするものもあれば、もっと多くのことをするものもあります。そこがいちばんアプリによって差があるところで、だからこそ、アプリを選ぶ前に確認したいことを別にまとめました。
アプリが得意なこと:すぐに結果が見えることと、切ったり貼ったり片づけたりが要らないことです。頭に浮かんだものに手が追いつかなくてもどかしい子は、絵がすぐに動くのを見て大喜びすることがよくあります。
アプリが苦手なこと:動きがどうやって生まれるのかを手で理解することです。お子さんは結果を見るだけで、つくる決定はすべてアプリがしてしまっています。それが悪いわけではなく、ただ体験が違うだけです。紙の方法の代わりにするより、紙の方法にプラスして使うほうがうまくいきます。
アプリは、お子さんの絵や、ときには声も扱うので、プライバシーについての問いが当てはまります。それらは上にリンクしたチェックリストのガイドにまとめています。絵のアニメーションがおおまかにどう動くのか知りたい方には、専門用語なしのわかりやすい解説があります。
Scribblieの立ち位置
Scribblieは、アプリという方法に対する私たちなりの答えで、まだApp StoreにもGoogle Playにもありません。お子さんが紙にかいて写真を撮るか、アプリの中でかくと、絵が目を覚まして、あたりを見まわし、あいさつをして、名前をたずねます。お子さんは声で話しかけ、絵が答えます。最初に保護者がサインインして同意し、お子さんはサインインしません。お友だちの返事はAIモデルによって生成されることがあるので、ときには不完全なこともあります。広告なし、課金なし、公開での共有なしといった、できないことも含めて、Scribblieのしくみに詳しく書いています。
これはひとつのやり方です。パラパラ漫画の代わりにはなりませんし、そうなってほしいとも思っていません。
野心ではなく、年齢で選ぶ
保護者の方は、見栄えのするものを選びがちです。もっと良い選び方は、お子さんがひとつのことにどのくらい取り組み続けられるかで決めることです。それは年齢とともに急速に変わります。
3歳から4歳ごろなら、棒つきの人形にしましょう。何かをしてから結果を見るまでの待ち時間がほとんどなく、お子さんが声に出して実況することもできます。5歳から6歳ごろは、6枚か8枚のとても短いパラパラ漫画か、写真が5枚だけのストップモーションを試して、最後までやりとげられるようにします。7歳以上なら、本格的なストップモーションや長めのパラパラ漫画も現実的ですし、そのうちお子さんのほうがあなたに指示を出し始めるかもしれません。それはそれで楽しいものです。
これらはあくまでおおまかな目安です。スマホをいじるのが大好きな4歳が、こんなの子どもっぽいと思っている9歳より、よほど根気強いこともあります。お子さんのことを知っているのは、あなただけです。迷ったら、思っているより小さく始めてください。成功した短いプロジェクトをのばすほうが、途中で止まった長いプロジェクトを立て直すより、ずっと簡単です。
今夜できるサイズ:15分のはずむボール
今夜ひとつだけ何かするなら、これをどうぞ。付箋の束を用意して、お子さんに最初の1枚の下のほうに、小さなボールをかいてもらいます。次の1枚では、ボールを少し上に。ボールがいちばん上に着くまで続けて、そこからまた下へ戻します。10枚から12枚あれば十分です。
束を、うしろから親指でぱらぱらとめくります。ボールがはずみます。お子さんはほぼまちがいなく、もっと大きなものでもう一度やりたがるでしょう。それがねらいです。最初の成功が、次のアイデアを手渡してくれます。
うまくいかなかったときに多い理由は、ページとページのあいだでボールが動きすぎたことです。小さな一歩ならなめらかな動きになり、大きなジャンプはちらつきに見えます。この教訓は4つの方法すべてのうまくいかないことの大半に当てはまります。これがアニメーションの基本のルールだからです。小さな変化を、たくさん。

おとなの役目は、じつは小さい
4つの方法のどれでも、あなたの仕事は思っているより小さなものです。監督ではありません。スマホを持つ人、のりを探す人、テープがどこへ行ったかを覚えている人、そしてちょうどいいタイミングで「いまのもう一回見せて」と言う人です。
落とし穴は、手直しをしてしまうことです。腕がぶらぶらする人形、ぶれるパラパラ漫画、キャラクターが横にすべってしまうストップモーション。どれも、おとなが手を出してちゃんと直したくなります。私たちは、たいていの場合、がまんすることをおすすめします。ゆれている映画でも、お子さんがつくった映画です。そのゆれから学べることは、おとなが代わりにつくった完璧な作品よりずっと多いのです。
ひとつだけ例外があります。お子さんが泣いてあきらめそうなときは、切る、貼るなど、細かい作業をひとつだけそっと引き受けて、また返してあげてもかまいません。創作の部分がお子さんのものであるかぎり、たいていの子は受け入れます。そして、やめたいと言ったら、それもありです。

できあがったアニメーションをどうするか
シンプルにいきましょう。パラパラ漫画は棚にならべて、親せきにはビデオ通話で実演します。人形には箱の劇場を。ストップモーションの映画は、たぶん続けて9回見たあと、おじいちゃんおばあちゃんに送るかもしれません。
公開の場に投稿するのは、よく考えてからにしたいと思います。子どもの絵や声は個人的なものなので、家族だけのプライベートなチャットで十分です。映画を残すなら、元の絵も保存しておきましょう(きれいな写真があれば大丈夫です。撮り方は写真の撮り方のガイドで紹介しています)。紙そのものは、人形として数か月遊ぶと、もたないかもしれないからです。
よくある失敗と、地味な直し方
キャラクターがコマごとに違って見える。パラパラ漫画やストップモーションで、毎回かき直したり形を変えたりしたときに起きます。前のページをなぞる(付箋はなぞれるほどうすいです)か、形の変わらない1枚の切り抜きを使いましょう。
動きが速すぎる。1秒あたりのコマ数を減らすか、ページを増やします。8ページのパラパラ漫画は、まばたきのあいだに終わってしまいます。
動きがぶれる。ストップモーションで、撮影のあいだに何かが動いています。机、スマホ、光のどれかです。タイマーか別の端末でシャッターを押し、机にぶつかるほど近くにすわらないようにしましょう。
3つ目の手順でお子さんが飽きてしまう。それはふつうのことで、ひとつの情報でもあります。大さわぎせずにしまって、来週「またボールをやってみる?」と聞いてみましょう。
そしていちばん大きな失敗は、私たち自身の頭の中にあるものです。壮大にしすぎること。まばたきする、跳ぶ、手をふるといった動きが2秒ある絵が1枚あれば、それだけで完成したアニメーションです。ストーリーは要りません。
次の小さな一歩がほしいなら、付箋のボールを選んで、お子さんの目に入るところに束を置いてください。そして、ペンもいっしょに置いたまま、何が起きるか見ていましょう。
よくある質問
子どもの絵を無料で動かすには?
紙を使った方法なら、ほとんどお金がかかりません。付箋のパラパラ漫画なら付箋とペンだけ、紙の人形ならはさみ、アイスの棒、テープがあれば作れます。ストップモーションは、すでにお持ちのスマホと無料のカメラアプリやストップモーションアプリがあればできますが、アプリは広告や権限をご自身で確認して選んでください。
子どもの絵をいちばん簡単に動かすには?
3歳から5歳なら、棒つきの紙の人形がいちばん簡単です。お子さんが自分の手で動かして、すぐに結果が見られるからです。6歳以上なら、短いパラパラ漫画が次に簡単で、紙の束と20分ほどあれば作れます。
絵をかき直さずに動かせますか?
はい。動かせるひとつのかたまりの絵であれば大丈夫です。切り抜いて、写真のあいだで少しずつ動かしたり(ストップモーション)、棒につけたり(人形)できます。絵を動かすアプリは、元の絵を撮った写真から動かします。
何歳からアニメーションを作れますか?
4、5歳ごろから、おとながシャッターを押す係をすれば、ストップモーションの1コマ分の切り抜きを動かして楽しめるお子さんは多いです。パラパラ漫画の全コマを自分でかくのは、7歳ごろからが目安ですが、個人差が大きいです。
絵を動かすには専用のアプリが必要ですか?
いいえ。紙を使った3つの方法なら、付箋の束、人形の棒、スマホのカメラがあれば十分です。アプリは4つ目の選択肢で、お子さんの絵や、ときには声を扱うので、慎重に選ぶ価値があります。

